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Kilimanjaro Project! レポート 登山8日目

真ん中に小さく見えるのが鳥 ●9月9日 登山8日目3,110mから1,810mへ

潤いというのは素晴らしいものだ。ここ何日も乾燥が厳しい山上にいただけに、この瑞々しい森の中というのは人間を優しく包んでくれる。ガイドと一緒に歩いていれば、花が咲いている、さえずる鳥が近くに居る、猿が遊んでいる、と楽しい。心も潤う。
水が豊かということに日常実感がないが、改めて日本とは恵まれた国だと実感する。それでもタンザニアはアフリカの中ではキリマンジャロを始めとする山々とビクトリア湖を始めとする湖沼に恵まれ、それらを活かしたビール生産が主要産業の一つに挙げられている。 つるにつかまりターザンごっこ
ありがとうキリマンジャロ 昨日からの長い下りで膝に痛みが走り始めていた。視覚障害者の登山は一般的に登りよりも下りに注意を必要とし、時間もかかることが多い。私も注意を払い慎重に下り続けるという作業で、肉体的にも精神的にも疲労を感じていた。
こうして下山すること4時間、下山口となるMWEKA GATEに到着した。下山口近くまで来ると車が登ってきて、歩行困難な人を乗せていたがこれに頼ることなく下山ができた。自分の足で歩き通したかった。長い道のりを振り返ると、もうずっと昔の出来事のようだ。それほどに深く自分の心に刻まれた8日間。下山口を抜けると、物売りが押し寄せ現実に引き戻され、この登山は締めくくられた。 最初は一つ、次には2つ、そして3つで$10どうだ?と持ちかけてくる
ビルさんは重複障害を持つ。目、耳、そして片腕は義肢。昨年結婚した奥さんとラブラブ 登頂のあとで

山から下りた我々は、街のホテルに登り登頂を喜ぶ夕食会を行った。その時参加者の一人が切り出した。「この4大陸から集まった我々の協力で、アフリカの視覚障害児の生活向上のため、行動をしようじゃないか」と基金の設立が提案された。(これはそれぞれが帰国後"The Kilimanjaro Blind Trust Foundation"として早速行動が始まっています)
ケニアからの参加者Douglasからの説明と、盲学校を持つ学校2校の慰問により、チームはアフリカの視覚障害児が学習機会はおろか、家庭内での生命の維持も危機にさらされていることが多く、彼らの就業の機会に至っては99.9999%ゼロだと聞かされていた。 左よりミキ、ジョーシ、ダグラス、コバ
ポール、クリスチャン、セバスチャン親子。ちなみに私達は中腰ではありません。 今回の登山プロジェクトには視覚障害者とその同行者以外にもさまざまな人が参加をした。その中でも象徴的だと思えるのは、ある欧米の巨大家庭用品企業の重役やスイスに本部を置く銀行の幹部などだろう。彼らは企業人としてではなく、個人として社会貢献や社会参加を意図してこの登山に参加をしていた。自らに出来ることを考え、行動に移す。なんと素晴らしいことだろう。
当初私はこのプロジェクトの趣旨に書かれていた「様々な人がともに手を携えあい行動する」という一文の意味を理解していなかった。様々な人は人種や国籍だけでなく、環境、考え方なども含まれ、手を携えあいというのは、一緒に必要なことが何かを考え、そしてその現場に限らず行動をし続けよう、という意味がこめられていることを理解した。 盲学校では歌で歓待される。感動して泣けてくる。
豪華な食事を用意してもらう。白杖、音声時計等を贈る。 こういった意味では私たち日本人(少なくとも私)の行動力はまだまだ限定的だ。こういった価値あるプロジェクトが私たちの手によっても実現できるように、私たちなりの行動を始めていきたい。
このキリマンジャロプロジェクト参加のため、出発前よりたくさんの方々に温かいご支援を頂きました。
この経験をこれからも活かし、必ず私達の行動の糧とさせて頂きます。

この場をお借り致しまして、厚く御礼申し上げます。

最後に、
9月9日キリマンジャロ下山後のMWEKA GATEで、私とパートナーの美紀は、マサイ族正装の出で立ちで結婚式を行いました。マサイの歌やダンスとともに、全てのチームメンバー、ポーターやガイドに祝福され、楽しいパーティーを過ごすことが出来ました。勿論、8日間シャワー無しのままです…。(その様子はコチラ

皆様、どうぞこれからも、ご指導の程宜しくお願い申し上げます。 
NPO法人 Monkey Magic代表理事 小林幸一郎

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